名著を読む「ピープルウエア」

名著を読む

システム開発にまつわる著書を読み込んでいた時期がありました。その中で、名著と思われるもの、名著と呼ばれているものを紹介していきたいと思います。
システム開発を社会学的な観点で見て、どのようにしたらプロジェクトを成功に導けるのかのヒントがあった本でした。

ピープルウエア ヤル気こそプロジェクト成功の鍵

著者:トム・デマルコ/ティモシー・リスター
初版:1987年

この本も、先日、紹介した「人月の神話」同様に古い本になってます。初版が出てから既に30年が経過している本となっています。この本の中では、具体的な職場環境に関する描写があったりすのですが、どのように考えたら良いか?というきっかけにはなるかと思います。

システム開発における問題の本質

一般的な業務システムの開発では、新しい技術を開発する。もしくは、最新の技術を利用する。ということは稀だと思います。通常は、既に実績があるもの使おうとするということが多いと思います。

このことから、システム開発プロジェクトにおいて、技術的な課題が問題の本質ではない。となります。プロジェクトの予算やさまざまな要員で困難なケースがあると思いますが、プロジェクトチームのメンバーが保有していない技術スキルが必要な場合は、そのスキル保有者をプロジェクトメンバーとしてアサインすれば良いだけです。
この例え話では、スキル保有者をアサインできないことが問題であって、技術の問題ではありません。

実際のところ、ソフトウエア開発上の問題の多くは、技術的というより社会学的なものである。

「第1章 今日もどこかでトラブルが」より

この本では、お客様の業務要件をシステム要件に落とし込んだり、システム要件から効率よくコードを書いたり、品質をよくする。といったことに対する具体的な手法は書かれておりません。(もちろん、関連しているとことはあります。)

メンバー働く気にさせる

この本の中では、いかにメンバーをやる気にさせるか。ということが書かれています。第I部では「人材を狩るようする」、第Ⅱ部では「オフィス環境と生産性」、第Ⅲ部では「人材を揃える」、第Ⅳ部では「生産性の高いチームを育てる」、第Ⅴ部では「きっとそこは楽しいところ」と、いろいろな観点で、どのようにしたらメンバーのやる気を引き出せるのだろうか。というヒントになる内容が書かれています。

例えば、第Ⅱ部の「オフィス環境と生産性」にある第8章「プログラムは夜できる」という中では、職場環境と生産性の関連性の説明があり、通常の勤務時間内では業務に打ち込めない。と結んでいます。この本の初版が出たのは1987年でが、今、読んでも思い当たるところがあります。

第Ⅳ部の「生産性の高いチームを育てる」にある第23章「チーム形成の不思議な作用」ではプロジェクトの結束性がもたらす効果を述べるとともに、「異分子がいるから楽しい」の中では、今で言うダイバーシティに関する内容も触れられています。

現在の一般的な業務システム開発における予算は、ほとんどが人件費です。高価な機器やソフトウエアを使うケースは少ないと思います。もちろん、お客様先での稼働資産では、高価なハードウエアやOS /ミドルウエアをt飼われていますが、開発用では、そこまで高価なものは使わないと思います。
ということは、如何にプロジェクトメンバーのやる気を引き出すかがプロジェクトの成否につながると考えられます。

読んだ感想

現在は、ほとんど残業がない職場で仕事をしていますが、以前は、残業が当たり前の会社で仕事をしていました。その際に読んだのですが、ものすごく共感した覚えがあります。前述した「プログラムは夜できる」というのは、本当にその通りで、日中は、お客様やパートナー様、社内のプロジェクトメンバーとの打ち合わせや調整などで、ほとんど自分の仕事はこなせなくて、結局、夜にやる。という状態でした。

この本を読んだ時は、1980年代から同じような状態であったんだと思うとともに、自分のプロジェクトでは参考にしていこうと思った内容でした。

現在は、この本に書かれた内容をできる限り実現をしていきたいと思っていることです。

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