情報処理技術者試験 小論文対策

情報処理試験

情報処理技術者試験で小論文がある試験区分を何個か合格していました。
その経験をもとに、これから試験を受ける方の役にたてばと思い、特に対策に手間がかかる小論文について記載します。
他の記述式についても、別途、対策方法を紹介していくようにします。

情報処理技術者試験の概要

IT系の国家資格はいくつかありますが、その中でも一番メジャーなのは、情報処理技術者試験ではないでしょうか。情報系の高校や専門学校であれば在学中に取得を求められているかと思います。
情報処理試験は知識や技能を認定するものであって正確には資格ではないのですが、一般的には資格として通っているものと思われます。

この試験は、複数の試験区分があります。その中で、高度情報処理技術者と呼ばれるそれぞれ専門的な知識や技能を認定する試験区分があります。この試験区分は、午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱと4つの試験をパスしないと合格と認定されません。午前Ⅰと午前Ⅱはマークシート式の試験となっており、午後Ⅰと午後Ⅱは記述式の試験となっています。

その高度情報処理試験の中でも、以下の試験区分では、午後Ⅱの記述式が小論文形式になっています。

  • システム監査(AU)
  • ITストラテジスト(ST)
  • プロジェクトマネージャ(PM)
  • システムアーキテクト(ST)
  • ITサービスマネージャ(SM)

どんな技能を認定するものかは、独立行政法人情報処理推進機構のホームページで確認してください。
情報処理技術者試験のタブ>試験区分一覧(右側のメニュー)の順で表示すると試験区分の一覧が表示されますので、それぞれの試験区分を選択すると、どんな技術者を対象としているか表示れます。

以下にITストラテジストの例を記載します。

経営戦略に基づいてIT戦略を策定し、ITを高度に活用した事業革新、業務改革、及び競争優位を獲得する製品・サービスの創出を企画・推進して、ビジネスを成功に導くCIOやCTO、ITコンサルタントを目指す方に最適です。

独立行政法人 情報処理推進機構(https://www.jitec.ipa.go.jp/)試験区分一覧 ITストラテジスト「1.対象者像」

小論文試験の概要

午後Ⅱの小論文試験は、どの試験区分でも設問がア、イ、ウと3つあり同じような出題形式になっています。おおよそ、以下のような構成になっています。

  • 設問ア 論述する対象となるプロジェクトやサービス、プロダクトの概要と、論述する事柄の概要を記述する。
    (800字以内)
  • 設問イ 題意に即して具体的にとった行動等を記述する。
    (800字以上 1,600字以内)
  • 発生した課題とその対応を記述する。
    (800字以上 1,600字以内)

設問アが800字以内となっており、ここで最低限600文字は書くとすると、最低2,200文字を書く必要があります。試験時間が120分となっているため、文字を書くのが遅い人は、考える時間がほとんどないという状況に陥ります。
情報処理技術者試験となっていますが、小論文がある試験区分では、試験区分に対する専門性がある以前に、短時間に文章をまとめ上げて、かつ手書きで記述する能力があることが前提になります。
本当に情報処理技術者のための試験なのか?という疑問もわきますが、この試験区分で対象にしている技術者は、独立法人情報処理機構が定めているITSS(ITスキル標準)でレベル4と呼ばれるスキルをもっている人を対象としています。これらのレベルの人たちは、お客様との折衝等のコミュニケーション能力を求められる層になっているため、その技能を問うために論文という形式で試験を行うのは妥当性があるものと思います。また、手書きはきついですが、税込み6,000円弱という格安の試験料で実現するには止むを得ないものと思います。(他のコンピュータを利用したベンダー系の試験ですと20,000円以上はします。)

文字を書くスピードの向上

まず、小論文対策ですべきことは、自分の文字を書くスピードを見極めることです。お勧めする方法は、市販されている小論文例を購入して、その論文を実際に手書きで記載することです。

私自身、最初にチャレンジした際は、ただ書き写すだけで120分をオーバーしていました。つまり、この試験に合格するために必要な文字を書くスピードに達していないということになります。まずは、文字を書くスピードを向上させることから始めました。

具体的な対策としては筆圧を下げるということをしました。筆圧が高いと指が痛くなり、書くペースがどんどん落ちてしまいます。また、誤って記述した際に消しゴムで消すのですが、筆圧が高い状態で記述した文字は、なかなか綺麗に消えません。

筆圧を下げつつ、手書きに慣れることにより、書き写すだけなら100分でできるようになりました。これによって、20分は文章構成を考えたり、推敲したりできるようになりました。お手本を書き写す際は、見て解釈する時間があるので、実際の試験時は、さらに余裕ができます。

受験している試験区分に即して記述

前述した小論文を記述する前提となる技能、これに加え、十分な経験と能力も備わっている方で、小論文がある高度技術者試験でなかなか合格できない方は、この点を理解できていないのではないかと思われます。

具体的にプロジェクトマネージャを例にすると、この試験で想定しているプロジェクトマネージャの対象像は、以下の通りです。

高度IT人材として確立した専門分野をもち、システム開発プロジェクトの目標の達成に向けて、責任をもって、プロジェクト全体計画(プロジェクト計画及びプロジェクトマネジメント計画)を作成し、必要となる要員や資源を確保し、予算、スケジュール、品質などの計画に基づいてプロジェクトを実行・管理する者

独立行政法人 情報処理推進機構(https://www.jitec.ipa.go.jp/)試験区分一覧 プロジェクトマネージャ「1.対象者像」

実際の業務で、多くの技術者は、複数の役割を担務することが多いのではないでしょうか?
プロジェクトマネージャやITコンサルタント(ITストラテジスト)といった役割の方がシステム設計を兼任したり、アーキテクトがマネジメントを代行したりお客様へ経営課題に即した業務改善提案をするといったことが多いのではないでしょうか。情報処理試験技術者の試験区分で想定している対象者像に即して、専任のプロジェクトマネージャを配置してPMOを組織し、専任のアーキテクトがいて、各技術分野にそれぞれのスペシャリストがいる。なんていう贅沢なプロジェクトはなかなかないと思われます。このようなプロジェクトを組めるのは億単位の予算と何百人月もの人員を投入できる場合ではないでしょうか。

ただ、情報処理技術者試験もひとつの試験ですので、試験区分に対応した試験区分として解答となる論文を記述する必要があります。日本のIT系企業の多くでは、プロジェクトマネージャになるには、設計者や開発者として経験を積んでからなるという発想が多いので、プロジェクトマネージャ=優秀な設計者・開発者だったりする場合が多いかと思います。さらにITコンサルタントは、プロジェクトマネージャの経験が豊富で多くのお客様折衝を経験した人がなる。といった感じになるかと思います。新卒でプロジェクトマネージャやITコンサルタントとしてのキャリアを築く方は、大手のSIerやコンサルファームの方ぐらいではないでしょうか。

プロジェクトマネージャの試験で、問題に対してどのように対応したか記述する際、「私は、○○○○という対策を考え、」なんて記述したりしたらNGです。例えば、問題がIT戦略に関するものであれば、その対策を考える仕事は冒頭の引用にあるようにITストラテジストの仕事であり、問題がシステムに起因するものであれば、その対策を考えるのはシステムアーキテクトや各技術分野のスペシャリストの仕事です。プロジェクトマネージャの仕事は、本章の引用にあるように「計画に基づいてプロジェクトを実行・管理」することです。
ということでプロジェクトマネージャの試験であれば、「私は、対策案を作成するよう〇〇○○に依頼し、その対策案に対する計画を策定し、実行・管理をした。」というような趣旨で回答する必要があります。

自分が何の試験を受けているか意識して論述するようにしましょう。そのためにも実際に解答を記述する際、「設問ア」の最後の一文は、試験区分の名称を用いて、その試験区分の役割で参画したと記述しましょう。具体的にはITストラテジストの試験であれば「ITストラテジストとして参画した。」と記述して設問アを締めくくってください。こう締めることにより採点する方に対して、どの立場で記述するかを明確に伝えることになりますし、自分自身も改めて、何の試験区分を受けているかを再認識することができます。

問題文の趣旨に即して記述

小論文を記述するにあたって、問題文に記載がある内容に即して解答するようにしてください。これも、十分に経験があって能力が備わっている方が合格できない原因かと思います。実際に問題冊子には「問題文の趣旨に沿って解答してください。」とわざわざ太字でかつ下線つきで記述があります。

例えば、システムアーキテクトの試験区分で、データ移行に関しての問題文があり、その中で、複数のベンダーをまたいだ際に気をつけるべき点として、データ型やコードについて注意する必要がある。と記述されているのに、文字コードを気をつけないといけない。なんて解答を記述したらNGです。確かに文字コードも重要ですが、この問題で論述すべきは、データ型やコードに関して複数のベンダー間で調整を行い確実に変換をするというようなことです。文字コードについて問題文で1回も出ていないなら、いくら論述対象のプロジェクトやサービス、プロダクトで重要であったとしても解答として記述するべきではありません。

情報処理技術者試験の小論文は、知識や技能が合格水準に達しているのかを判断するためのものです。ここで新たな開発技法や管理技法などを記述する必要はありません。問題文にあわせて、解答を記述しましょう。もし、自分にとっては、当たり前の内容で、他にも大事なことがあると思っても、問題文の内容で解答を記述してください。そのような、新たな技法や高度な技法、優れた知見は自分が実際の業務で担当するお客様のために使いましょう。情報処理技術者試験はあくまで、試験ですので、合格するために必要な内容で解答するようしましょう。

長文になってしまいましたが、この辺を注意することにより、合格確率が大幅にあがります。

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